物件下見チェックポイント(その1)
<モデルルーム見学>
◎今、買っていいマンション
●自分の家具に対して充分な収納があるマンション
実際に暮らすことを想像して
・家具の一覧表などの作成
●実際に購入する部屋の図面を教えてくれるマンション
モデルルームは一番いい部屋
・実際に住む部屋はモデルルームより天井が低いかもしれない
●トイレの照明が便座の上にないマンション
トイレをみれば設計の良し悪しがわかる
・照明はなるべく足側にある方がいい
真上にあると体の影が出来て足元が暗くなってしまう。 |
×買ってはいけないマンション
●チラシで売れ行きが良いように見せているマンション
●オプション装備だらけのモデルルーム
●トイレのペーパーホルダーが右手にあるマンション
・ペーパーホルダーは便座の左手側にある方がいい
右利きの人の場合、ペーパーホルダーが右側にあると紙を巻き取る量が増えてしまう。 |
<設計図編>
◎今、買っていいマンション
●コンクリートの強度が24N以上あるマンション
24N以上あれば耐用年数は理論上65年
●遮音等級のよいマンション
壁なら等級D-50以上
床なら等級L-50以下
●土壌調査の資料が入っているマンション
●耐震性 みるべきポイント N値50以上の硬い地盤(支持層という)があるかどうか。建物がひっくり返らないようにするために、この支持層と呼ばれる地層にマンションを支えてもらうためだ |
×買っていけないマンション
●壁厚が180ミリより薄いマンション
壁は180ミリ以上、床は200ミリ以上の厚さは必要
●吹き抜けに排気管が面しているマンション
吹き抜けに排気が面していると、吹き抜けそのものが生活排気の煙突のようになってしまう。上の階になればなるほど、臭気が立ち込め不快になる。
●給湯の号数(性能)が低いマンション
給湯器の性能が低いと2ヶ所以上でお湯をつかえない。24号以上は必要(4人家族以上だと)
給湯器の性能が20号だと、夏場ならシャワーと他の1ヶ所に給湯することが可能だが、冬場だとパワー不足 |
コンクリート強度
建築工事標準仕様書
図解説JASS5による水準一覧表
コンクリート強度
(単位:N/m2) |
耐用年数 |
18 |
30年 |
24 |
65年 |
30 |
100年 |
壁の遮音等級表
|
ピアノなど
特に大きい音 |
テレビ・ラジオ
会話など |
生活感・プライバシーの程度 |
D-35 |
よく聞こえる |
かなり聞こえる |
隣戸の生活行為がかなりわかる |
D-40 |
曲がはっきりわかる |
小さく聞こえる |
隣戸の生活行為がある程度わかる |
D-45 |
かなり聞こえる |
かすかに聞こえる |
隣戸住宅の有無がわかるがあまり気にならない |
D-50 |
小さく聞こえる |
ほとんど聞こえない |
日常性格で気兼ねなく生活できる |
D-55 |
かすかに聞こえる |
通常では聞こえない |
隣戸の気配を感じない |
D-60 |
ほとんど聞こえない |
聞こえない |
カラオケパーティーを行っても問題ない |
床の遮音等級表
|
人の飛び跳ねる歩行音 |
物の落下音
イスの移動音 |
生活実感 |
L-60 |
よく聞こえる |
かなり聞こえる |
スリッパ歩行音が良く聞こえる |
L-55 |
聞こえる |
気になる |
イスを引きずる音がうるさく感じる |
L-50 |
小さく聞こえる |
聞こえる |
イスを引きずる音は聞こえる |
L-45 |
聞こえるが意識することはない |
小さく聞こえる |
スプーンを落とすとかなり聞こえる |
L-40 |
かすかに聞こえるが遠くから聞こえる感じ |
ほとんど聞こえない |
気配は感じるがきになるない |
<周辺地域>
◎今、買っていいマンション
●周辺地域がハッキリわかるマンション
用途地域がわかれば、今はなくてもこれから建つだろう建物の傾向がわかる
●住居地域のマンション
工業地域や商業地域では騒音や臭気などが気になるかもしれない。最近のマンションは準工業地域に建つことが多いが、住居地域もみつけたい。
●近所の人たちの不満が少ないマンション
自分が気になることも聞けるように質問を準備しておこう
|
×買っていけないマンション
●以前の土地の用途がわからないマンション
●周囲に騒音、振動、臭気を発する施設があるマンション
繁華街のすぐそばだと風紀がよくないばあいがある
大型道路、高速道路、操車場、工場、ゴミ処理場なども近くにないに限る
●平日の昼と夜で様相が一変する地域のマンション
建築現場の下見は平日と休日のそれぞれ昼と夜の計4回行う
昼間は閑静だが、夜になると飲み屋が開き風紀がみだれる
夜は静かだが、昼間は騒音がうるさいなど |
<工事現場>
取引相手はどの業者
私たちが契約を結ぶのは、あくまでデベロッパーなのである。
デベロッパー |
マンションを建てて売る売主。建設を企画し、土地を取得、設計・施工を発注する |
施工会社 |
建築現場で実際の工事にあたる会社 |
設計会社 |
マンションの設計を行う会社 |
販売会社 |
売主に代わってマンション販売を代行する会社 |
管理会社 |
管理組合などから管理業務委託を受けてマンションの管理業務を行う。 |
工事現場を見学する時期
1.鉄筋の具合をみるためにコンクリートを流し込み始める前
2.コンクリート工事の状況をみるためにコンクリート打設の途中
◎今、買っていいマンション
●コンクリートがきれいなマンション
コンクリートの継ぎ目に注目
●鉄骨を十分に使っているマンション
ムラなく均等に鉄骨が使われていれば安心
鉄筋工事で歪んだ鉄骨を使っていない
コンクリートの「かぶり厚(鉄筋を覆っているコンクリートの厚さ」は建築基準法で最低でも30ミリと決められている。できれば、設計図面で確認し、40ミリくらいのかぶり厚のある建物を選びたい。
通常、5階建て以下の低層マンションなら鉄筋コンクリート造り(略称:RC)が、6階建て以上の中、高層マンションでは鉄骨鉄筋コンクリート造り(略称:SRC)で施工されることが多い。
●施工業者の過去の実績が良いマンション
工事の施工業者の過去の実績や評判はどうか?
他の販売センターに聞いてみよう |
×買っていけないマンション
●コンクリートの流し込みが雑なマンション
私たちがみて、コンクリートの表面にボコボコと穴があいていたり、継ぎ目が雑な感じがするものは危険
●支柱となる鉄筋鉄骨が歪んでいるマンション
コンクリートの芯となる鉄筋が、私たちが見ても明らかに歪んでいたり、曲がっていたりしたら危険。
●建築現場が散らかっているマンション |
<契約書編>
マンションの契約の書類
前もってもらい、一度家に帰って内容をじっくりと読む!
1.不動産売買契約書
2.重要事項項目説明書
3.管理規約案
4.長期修繕計画
5.アフターサービス基準
◎今、買っていいマンション
●売れ残った部屋を賃貸にしないマンション
資産価値がさがるの避けたい。絶対確認。
●空き部屋は売主が管理してくれるマンション
ディベロッパーが負担するなら安心
●長期修繕計画案がきちんと記載されているマンション
他社とくらべて適正なら安心。安いと負担が大きくなる
月々5000円~1万円程度の記述が多いが実際には書類の記載より多くの負担があると見たほうがいいだろう
●瑕疵保障の範囲は?
新築住宅は、例外なく10年の瑕疵保障期間が義務付けられるようになっている。
ただし、保障の対象は、建物の基礎部分や柱、梁など基本設計に関わる部分と、屋根や外壁など雨水を防止する部分にかぎられる。内装やオプションの家電製品など、建物の基礎とは関係ない部分は、それぞれの業者が決めたアフターサービス基準にしたがうことになる。どこに何年保障があるかしっかり確認しておきたい。
●申込金と手付金
「申込金」「手付金」「残金」(「中間金」)
「申込金を払ったらキャンセルできない」といって契約を迫る悪質な業者がある。
しかし、申込金はあくまで予約にすぎず、契約書に記名・捺印するまでは事実上、義務は発生しない。こんな業者とはすぐに取引を中止すべき。なお、申込金をはらう際にはたいてい買付照明書(または購入申込書)といった書類を作るが、これらの書類にも法的拘束力はない。
手付金をはらう段階にきたら慎重に。手付金は契約後、実際に取り決めた契約内容が実現されるまでの間に、売主と私たち買主の双方から一方的に契約を解除できないようにするもの。手付金の金額は売買価格の5%~10%が相場だ。
手付金支払い後に契約を解約することを手付解除という。この場合、すでに支払った手付金は一切返還されない。また、オプションや間取り変更工事を行った場合は、それらを買主の費用で元に戻さなければならない。 |
×買っていけないマンション
●事前に契約関係書類をくれないマンション
●空き部屋の管理費を入居者に分担させるマンション
●理不尽なお断りばかり契約書に書いてあるマンション |
今回の参考図書
今、買っていいマンション買ってはいけないマンション まんがで読むからよくわかる!